西新宿の東放学園キャリアサポートセンターで「子どものためのデジタルコンテンツを考える」と題して講演しました。(主催:NPO法人ブロードバンド・アソシエーション)コーディネイターは、女子美術大学大学院の為ヶ谷秀一先生です。
私が話せることと言えば、ピッケのことだけ。ピッケの開発における試行錯誤と、その中で私なりに気づいたこと。100%ピッケづくしです。アプリの実演をしながら具体的な手法をお伝えし、活用例のmovieをご覧いただき、次のようなお話をしました。
「ピッケのおうち」をつくった理由
・幼い頃に味わう「嬉しい・楽しい」は、人生を歩む力になる。
・子どもたちと新しいメディアの最初の出あいを幸せにしたい。
「ピッケのおうち」で気づいたこと
・幼児向けデジタルコンテンツは三者で成り立つよう作るのがいい。
・上手い不完全をめざそう。
「ピッケのつくるえほん」活動の要所
・物語をつくる
・物語を外化する
・物語を語る
・物語を分かち合う
・つくる側になる
「ピッケのつくるえほん」三者成立 に於ける役割
・支援ツールとしてコンピュータが埋め込まれている。
・子どもの創作活動に寄り添い支援するために、コンピュータとソフトはある。
「ピッケのつくるえほん」でしたいこと
・コミュニケーションの基盤を育てる。
話す技巧の習得ではなく信頼する人にくっつき安心できるというところから。
・「つくる」ことは上質の喜び。
心から楽しんでいるとき、子どもたちの心が育つ。
・言葉は人を形成する。
子どものためのデジタルコンテンツデザイン
・アクティビティ全体をデザインする。
・マニュアル不要にわかりやすく。
・余分な枝葉は落とす。
・丹精こめてつくる。
・ソフトのデザインは作り手の思想。
質疑応答で返答に窮したのは「事例調査や検証をどうしているのか」と「どうビジネス化しマネタイズしているのか」。
まず前者。考えていてもわからないので、作りながら考えようと始めたのがそもそもで、やっていることの言語化さえ、後でしています。迷ったときにどっちへ進むかは、ひなたの匂いのする方です。何か(学術研究であったり、あるいは市場だったり)を分析し、その結果に基づいて作ったというものではなく、手を動かしながら考えています。
後者。活動を継続するためにビジネス化必須は自覚していて、今も挑戦中。もっと知恵出してがんばらねばと思っています。この分野に若い人にどんどん入ってきてもらうためにも「面白いですよ」だけではダメなので。
やってきた活動を言語化し整理できたこと、このテーマに関心をもつ方々に聴いていただけたことは、とてもありがたいことでした。 ピッケを続けていて嬉しく思うのは、遊んでくれる子どもたちが増えることはもちろん、同じ方向を見て進む仲間と出会え、応援してくれる人も増えてくること。
これからも、「子ども×デジタル」の未来を考え、戸外で身体を存分に動かして遊ぶように、心を解き放ち自由に遊べる原っぱを作りたいなと思っています。 「つくる」ことは何より楽しい を、日々実感しています。
ブログにも書きました。
>> 開催概要pdfは こちら
>> 座長為ヶ谷秀一氏によるレポートは こちら